【新刊】フランコ・イタリアン武勲詩『シャルルマーニュの遺言』(宮下拓也・中西志門 共訳)

当会の会員である宮下拓也氏が中西志門氏(ともに京都大学大学院博士課程在籍)との共訳で「フランコ・イタリアン」と呼ばれる仏伊混成言語で書かれた十四世紀の武勲詩『シャルルマーニュの遺言』(Le Testament de Charlemagneを翻訳されました。ご出版おめでとうございます。掲載誌の書誌情報は次のとおりです。

「フランコ・イタリアン武勲詩『シャルルマーニュの遺言』-試訳-」(宮下拓也・中西志門 共訳)、『仏文研究』(京都大学フランス語学フランス文学研究会)所収、53号、2022年、pp.159-201.

京都大学フランス語学フランス文学研究会の機関誌『仏文研究』は図書館で参照するしかありませんが、最新号は刊行から一年後に京都大学の学術情報リポジトリ「紅」(KURENAI)でPDFが無料ダウンロードできるようになります。

『シャルルマーニュの遺言』は十四世紀に北イタリアで成立した全884行(全27詩節)の短い作品であり、ボドリアン図書館(オックスフォード)所蔵の一冊の写本で伝わります。天使から死期を告げられた大帝シャルルマーニュが幼い後継者ルイ(ルイ敬虔王)の後見人としてギヨームを指名するに至る一部始終が語られています。シャルルマーニュはギヨームに王冠を手渡し、オランジュ攻略を命じた後、墳室の玉座で厳かに臨終の時を迎えます。
本翻訳は作品の言語であるフランコ・イタリアンの解説に加え、テクストに詳細な解説・註記が加えられている力作です。